ファストファッションをはじめとした衣服の低価格化に伴った、昨今の衣服の大量生産・大量消費・大量廃棄社会。
それに伴い
私たちのこれまでの洋服とのつきあい方が、地球環境や途上国の人々にたくさんの問題を押し付けていることをご紹介してきました。
(上のリンクから関連記事にアクセスできます。)
こういった問題を解消するために、私たちはこれからどのように服とつきあっていけばよいか?
私たちにできるアクションをまとめてみました。
1.今持っている服を大切に着続ける
今自分のクローゼットに収まっている服をすべて把握していますか?
環境省が行った調査によると、日本では年間1度も着ない服を平均で一人25着も所有しているのだそう。
新しい服を買う前に、まず自分のクローゼットを見直して、今ある服を把握して。
そしてそれらを大切に着ましょう。
それがまずはじめにやるべきこと。
クローゼットがすっきりすると、ショッピング欲がいつの間にか消えていることはよくある話。
2.買う前によく考える
まず大前提は、いずれ要らなくなるものをなるべく購入しないこと。
安いからとかSNSに載っていたからとか、とりあえずと何となくで買わないで!
日本では袖を通されずに捨てられる新品の服が一人当たり8着、年間10億着と言われています。イギリスでは生産された服のうち、5着中3着は一年位内に埋め立て処分されているそう。
本当に必要なアイテムか?
長く愛せる洋服かどうか?
買う前にじっくり考えて!
3.シェアする
母娘で、姉妹で、カップルで。
ショッピングに行く前にママのクローゼットを物色したら、素敵なお下がりの掘り出し物があるかもしれない!
姉妹がいたら一緒にショッピングに行ってシェアできそうなものを買うのもありだし、
彼のニットを大きめに着るのも可愛いかもしれません。
4.レンタルする
ドレスやハイブランドバッグなど、様々なレンタルサービスが増えているのでぜひ活用したい。
頻繁には着ないパーティー用のドレスやスキーウェアなんかであれば、レンタルで済ませられればリーズナブルだし、
浴衣や着物はお手入れに手間がかかるから、その手間を省けるのもレンタルの魅力!
5.古着を検討する
服を一着生産するには、製造過程や梱包、輸送などで、環境に大変な負荷がかかっています。
だけどすでにあるもの=誰かが着なくなった古着なら、”すでにあるものをゆずり合う”今あるものを循環させられるとても素晴らしい消費になる!
ショッピングに行く前に、自分の欲しいものがメルカリや古着ショップに出ていないかぜひのぞいてみて。もしあれば店舗で購入するよりもずっとリーズナブルに入手できます。
6.オーガニックコットン製品を選ぶ
大量生産された普通のコットンと比較すると、オーガニックコットンは価格が高く、コットン生産量全体の1%にも及んでいません。
しかしながら普通のコットンの生産過程では、環境汚染や貧困層搾取、生産者の健康被害といった無視できない問題がたくさん横たわっています。
価格が安いのには理由があるのです。
そうした問題を解決できるのがオーガニックコットン。オーガニックコットンは環境への負荷を大幅に軽減し、生産者や労働者の健康や人権にも配慮されています。
オーガニックコットンが手に取りやすい価格で供給されもっと世の中に広まっていくためには、気づいた人から積極的にオーガニックコットンを選択していく以外ない。
売れなければ生産者を守ることはできません。
だから買うことで消費者として生産者を支えるのです。
需要が高まれば生産者はメーカーと長期的な契約を結ぶこともできますし、価格も下がっていくでしょう。
7.エシカルブランドやフェアトレード企業の服を買う
服を作るのに必要な綿花や染料、皮革加工に携わる労働者は、有害な農薬や化学物質によって深刻な健康被害が多く報告されています。
また服の生産の多くは発展途上国で行われ、低賃金で長時間の強制労働を強いられるなど、搾取や人権侵害のはびこる劣悪な労働環境で働いている人が大勢います。
そういう企業から商品を購入するという事は、そういう企業を応援しているという事になってしまいます。
反対に、そのような実態に問題意識を持って、原料調達や生産、流通過程において、環境に配慮していたり、労働者に対してのフェアトレードに真摯に取り組んでいる企業もあります。
買い物は投票。
商品だけでなく企業のWEBページなどにも目を向けて、倫理的な取り組みを行っている企業から商品を購入することが、健全な企業の応援になります。
8.裁縫で繕いながら着る
今あなたが靴下やパジャマに穴が開いたくらいで捨てていますか?裁縫セットを取り出すなんて面倒ですか?
買ったほうが安い?
もったいないという素晴らしい日本語を思い出してください。
買ったほうが早い?
5分で終わります。それを修繕するくらいの裁縫ができないのは、生きる能力がなさすぎます。
Tシャツ一枚生産するのに必要な水の量は2700リットル。飲料水5年間分です。さらに遠い国からの輸送費、廃棄の際に排出される二酸化炭素…たった一枚の生産のためにどの程度の環境負荷をかけているか考えてみてください。
9.リメイクする
一番簡単なのは、着なくなったコットン製の服をカットして、ふきんやぞうきんにリメイクすること。
さらにデザインに飽きてしまった服を新しいデザインに変えて蘇らせることができたら素敵ですね。
例えばブラウスをノースリーブシャツにリメイクしたり、柄のシャツをスカーフにしたり美しいレースのついたブラジャーを化粧ポーチにリメイクしたり!自分で出来たら最高ですね!
お直し屋さんも街中にたくさんあります。
デザインの変更などもとても素敵に仕上げてくださるショップがたくさんあります。
10.お手入れしながら大切に着る
傷んだら新しいものを買ったほうが安いし早い、という考えはチープ過ぎます。
レザーには栄養を与え、手洗いすべきものは手洗いし、ニットやコートにはブラシをかけて、服が長持ちするように、丁寧にお手入れをしながら着たいものです。
リーズナブルなニットでも、丹念にブラシをかければ見違えるほど上質感がよみがえります。
お手入れしながら大切に着たいと思える服を所有している喜び、長きにわたって思い出に寄り添ってくれる服を育てていく楽しみを見出すことができたら最高ですね。
11.着なくなったら誰かにゆずる
着なくなった洋服は、誰か欲しいと思ってくれる人を探してゆずることができたらそれが一番。
フリマアプリに出品したり、古着買取ショップに持ち込んで。
自分の手放したものが誰かのもとに渡ってまた使ってもらえたらうれしいですよね!
12.リサイクルに回す
街中のさまざまな店舗にて、古着のリサイクルボックスが設置されています。
bringさんは、生産に環境負荷が高いと問題視されてきたポリエステルを何度も繰り返しリサイクルできる素材に生まれ変わらせるテクノロジーを開発された企業。
着なくなった服を回収参加企業の店頭へ持ち込むと、この素晴らしいテクノロジーを駆使して服をリサイクルしてくださるそう。
まとめ
衣食住といわれるとおり、衣服は私たちの生活には欠かせないもの。
環境への負荷は、一部必要悪な側面もあるでしょう。
しかし世界では毎秒トラック一台分の衣類が廃棄され、その数は毎年3000億着。毎年シドニー湾を埋め尽す量。
その量の多さを見れば、必要悪の範疇を大きく超えてやり過ぎていると言わざるをえません。
消費者の買い方にモラルがなさすぎるのです。
まずは今ある服を大切に長く着ましょう
もったいない
足るを知る
今一度思い直したい日本語だ。
もともと日本人の精神に根付いていた言葉。日本人と親和性は高いはず。
大切に扱い、壊れたら直し、貸し借りをしたりゆずり合ったり、ものを大切にするという心を立て直すところからはじめたい。
買う時は地球環境や生産者にも思いを寄せてエシカルな消費を
そして買う時は生産過程にも目を向けて。
商品の値段やデザイン、品質だけでなく、原材料がオーガニックコットンだったり、フェアトレードな企業の製品だったり、地球環境や生産者の労働環境にも思いを寄せたエシカル(=倫理的)な消費行動のできる人が増えていけばと思います。
着なくなった服はリサイクルを
着なくなった服はゴミに出されるのが圧倒的。
友達や家族、または古着ショップやフリマアプリで誰かにゆずる、地域や店舗での回収リサイクルに出すなど、手放す時もゴミにしない方法を考えよう。
一人ひとりがモラルを持った節度ある消費者でいることで、未来は変えていけると思います。
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